商品の広告・宣伝を効果的に行うには?広告に対する消費者の意識調査や、効果的な販促との組み合わせ方を紹介

デジタル化の進展により、消費者が日々接触する広告の量は飛躍的に増加しています。しかし、広告の量的拡大が必ずしも効果的なマーケティングにつながっているとは限りません。むしろ、広告過多による消費者の「広告疲れ」が深刻化し、従来の広告手法だけでは十分な効果を得ることが困難になっています。

本記事では、当社が実施した消費者調査の結果をもとに、現代の広告環境における課題と、効果的な広告・販促戦略について詳しく解説します。

広告過多時代の到来と消費者の「広告疲れ」

スマートフォンが普及した現代において、消費者は膨大な数の広告メッセージに接触しています。テレビCM、Web広告、SNS広告、屋外広告、チラシ、メルマガなど、あらゆるメディアで広告が展開され、消費者の注意を引こうと競い合っています。

特にデジタル広告の分野では、リターゲティング広告、行動ターゲティング広告、位置情報連動広告など、より精密なターゲティングが可能になった一方で、消費者にとっては「追いかけられている」感覚を与える場合もあります。このような状況が、消費者の広告に対する忌避感や広告効果の低下をもたらす、いわゆる「広告疲れ」を生み出す要因となっています。

消費者調査から見る、企業広告に対する印象の実態

当社がインターネット上で実施した消費者調査において、20代から50代の男女が「企業からの広告に対してどのような印象を持つか」という質問を行ったところ、回答結果は以下の通りでした。

Q.あなたは、企業からの広告に対してどのようにお感じになりますか?

MONE調査データ08

  • 12.2%とても惹かれる
  • 16.6%やや惹かれる
  • 27.1%どちらともいえない
  • 25.2%あまり惹かれない
  • 18.9%まったく惹かれない

※出典:2025年5月|当社Webアンケート調査

「とても惹かれる」「やや惹かれる」と回答した消費者、すなわち、企業からの広告に対して好意的な反応を示す消費者が合計28.8%に留まったのに対して、「あまり惹かれない」「まったく惹かれない」と回答した消費者は合計44.1%に上り、多くの消費者が、企業広告に対して否定的な印象を持っていることが明らかになりました。

インセンティブを活用した効果的な広告戦略

前述の調査結果が示すように、企業からの広告に約4割の消費者が否定的な印象を持っている現代において、旧来の広告だけでは多くの消費者の心を動かすことは困難になっています。

こうした状況において注目されているのが、広告と何かしらのインセンティブを組み合わせた販促手法です。インセンティブにはクーポンやスタンプカード・ポイント付与など様々な形態がありますが、中でも効果が高いのが「サンプリング」販促です。多くの消費者は、自らの身銭を切ることなく商品を手に入れられることに対して好意的な反応を示すばかりではなく、実際に商品を体験してもらう機会を提供することで、以下のような効果が期待できます。

信頼性の向上

実際に商品を手に取り、使用し、効果を体感してもらうことで、企業の主張に対する信頼性が向上します。「百聞は一見に如かず」という言葉通り、体験による説得力は、企業からの一方向的な広告メッセージをはるかに上回ります。

購買不安の解消

近年の物価上昇などにより、消費者の購買行動はより慎重になっており、必要性を厳しく吟味してから購買判断を行うようになりました。このような環境では、従来以上に「失敗したくない」という心理が強く働きます。特に新商品や高価格商品の場合、消費者は購買に対して不安を抱きがちです。事前に商品を試用できることで、この不安を大幅に軽減できます。

口コミ効果の促進

実際に商品を体験した消費者が、サンプリングの対象商品、あるいはサンプリング体験そのものをSNS等で発信することが期待できます。こうした消費者による口コミは、企業発信の広告よりも高い信頼性を持ち、二次的な拡散効果を生み出します。

前述の消費者調査においては、無料で試供品やサンプルがもらえることに「とても惹かれる」「やや惹かれる」と回答した消費者が合計64.7%を占めるなど、先ほどの企業広告に対する心象と対照的な結果が得られました。広告とサンプリング販促を組み合わせることは、こうした調査の結果からも非常に理にかなっていると言うことができるでしょう。

Q.あなたは、試供品やサンプルが無料でもらえることに興味は惹かれますか?

MONE調査データ09

  • 21.8%とても惹かれる
  • 42.9%やや惹かれる
  • 20.4%どちらともいえない
  • 9.2%あまり惹かれない
  • 5.6%まったく惹かれない

※出典:2025年5月|当社Webアンケート調査

広告効果を最大化するためのポイント

それでは、効果的に商品の魅力を伝えるために、どのように広告とキャンペーンを組み合わせるのがよいのでしょうか?以下に、いくつかの考慮すべきポイントを整理します。

精緻なターゲティング

まず、今回の広告・販促の目的を定めた上で、どのような消費者層に向けて広告やキャンペーンを打つのかのターゲティングを行います。デジタル媒体では、年齢、性別、購買履歴、興味関心などの属性に基づいた精密なターゲティングが可能な場合が多く、例えば新規ユーザーの取り込みや継続利用者の囲い込み、若年層の取り込みなど、狙うターゲット層にあわせた広告やキャンペーンの全体設計を行います。

全体導線の設計

キャンペーンを行う際には、消費者がキャンペーンを認知するきっかけとなるバナーなどの入口から、ランディングページ(LP)に遷移し、そこからキャンペーンの規約や応募フォームに進むことが一般的です。このキャンペーンサイト全体の構成をどのようにするのか、といった導線の設計は非常に重要です。広告が多すぎたり、画面遷移が複雑すぎたりすると、それだけ離脱率が上がる一方、逆にシンプルすぎる構成では商品の魅力を十分に訴求できないことにも繋がります。

広告の内容・形態の選定

キャンペーンを行う際には、消費者がキャンペーンを認知するきっかけとなるバナーなどの入口から、ランディングページ(LP)に遷移し、そこからキャンペーンの規約や応募フォームに進むことが一般的です。このキャンペーンサイト全体の構成をどのようにするのか、といった導線の設計は非常に重要です。広告が多すぎたり、画面遷移が複雑すぎたりすると、それだけ離脱率が上がる一方、逆にシンプルすぎる構成では商品の魅力を十分に訴求できないことにも繋がります。

「拡散」を促す仕組みづくり

キャンペーンサイト上に、「このページをシェア」のようなボタン・導線を作っておくことにより、消費者自身における、キャンペーンサイト、もしくはキャンペーン対象商品のSNSでの拡散といった、UGC(User Generated Content)の創出が期待できます。キャンペーン専用のハッシュタグを設定し、参加者の投稿を通じた自然な拡散を促進するのも効果的でしょう。

効果測定とPDCA

デジタル媒体の特性を活かし、クリック率、応募数、配布数、引換率などの指標を継続的に測定し、改善を重ねていくことが成功の鍵となります。可能であれば、複数のパターンの広告や導線を構築し、どちらがより良い反応であったかを測定する「ABテスト」も効果的でしょう。

MarketingOneは、ドラッグストア店頭でのサンプリング販促が実現可能!

当社の販促ソリューション「MarketingOne」は、ドラッグストアを中心とした大手小売事業者に導入いただいており、店頭で商品を引き換えるデジタルクーポンを発行することが可能です。既に多くのメーカー・代理店様が、MarketingOneを活用して店頭サンプリングを実施しています。

引換の対象商品はJANコード単位で制御するため、複数の商品から1品を引換可能なクーポンを発行することも可能です。詳細はお問い合わせください。

※施策の実現にあたっては、対象小売事業者様のご承認が必要です。

まとめ

当社の消費者調査結果から明らかになったように、企業からの広告に対して多くの消費者が「広告疲れ」を起こしている中、サンプリングを活用したインセンティブ型の戦略は、消費者との真の接点を生み出す効果的な手法となります。特に、商品の価格が上がり、消費者がより慎重な購買判断を行うようになった現在、購入前に商品を体験できるサンプリングの価値はさらに高まっています。

効果的なサンプリングキャンペーンを実施するためには、精緻なターゲティングや適切な導線設計、UGC創出を促す仕組みづくりなど、様々な要素を統合的に設計することが重要です。

広告と、サンプリングをはじめとした販促の両者を戦略的に組み合わせることで、消費者に対し、より自社の商品を効果的に訴求できる可能性が高まるだけでなく、消費者の共感・信頼を獲得することができるでしょう。